スロープ融雪が実施されている場所
日本では多くの豪雪地帯が存在していて、普段からあまり雪が降らない地域では、その苦労は実感できないでしょう。
降雪量の少ない場所では雪が降ることが珍しいので喜ぶこともありますが、豪雪地帯では生活が大幅に制限されたり交通網にも多大な影響を与えるため、迷惑な存在であるのは間違いありません。
降雪の厄介なところはすぐに溶けてくれればいいのですが、気温が低くなると凍結していつまでも残ってしまうということです。
気温が上昇すればいずれは水に変化してくれますが、一定期間はそのままの状態を維持するので、放置すると邪魔になるだけでメリットは全く無いという特性を持っています。
この処理についてはほとんどが自治体の負担になり、その費用捻出に苦慮するところも多いというのが現実です。
降雪量の多い地域は雪による対策が重要であり、時間に関係なく降り続くという自然に対応するため、人力などを介さないスロープ融雪の方法を用いて降雪に対応しています。
スロープ融雪は屋根や道路などに設置されていて、雪が凍結することを防ぐために流水や保温性のあるシートを敷き詰めて固まらないようにして、そこに傾斜を利用して雪を滑らせて排出するものです。
道路では降雪によって車両が進めなくなるだけでなく、凍結するのでスリップによって事故の発生が増加してしまいます。
住宅の屋根では降雪が続くとその重量で倒壊する危険性があるため、スロープ融雪は雪による被害を予防するために重要な役割を担っていると言えます。